甘え上手な女って人生の半分以上を得していると思うんです。ワタクシ?できませんよ、そんなこたぁ〜。こっぱずかしくて(大テレ)。てなことで、甘え下手の人、今回は必見です。若干22才の娘が男の骨のヌキ方を教えてくれました。あ、それと見てはいないでしょうが、後輩のカナコ、勝手に名前を使ってすまん。

第6回 〜はじめての韓国・その5 東大門で追い剥ぎの巻〜

                       


●追い剥ぎ娘“カナコ”見参!


 東大門には東大門スタジアムという競技場があり、そのためか近くにはスポーツ店がわんさか軒をつられている。アディダス、ナイキ、フィラなど海外の有名ブランドも全部ホンモノ。新日本プロレスの金本浩二をこよなく愛する私は、金本さんと同じジャージが欲しいとFILAに足を踏み入れた。ちょうどバーゲン時期とあり、店内は30〜50%オフ。日本で買った6800円の靴も3500円とお買い得だ。早速、金本さんと同じジャージ(新日本プロレス仕様の真っ赤なやつ)を探すが、ない。おそらく特注のようだ。しかし、ジャージ以外にセーターやカバンなど日本ではとても手がでないような値段のものが、ほとんど1万円以内だったことに、歓喜し、奇声を発しながら(誇張表現小匙1杯)物色していると、韓国では珍しい愛想の良い娘店員がニコニコしながら近寄ってきた。22才の彼女は大学生でバイトとしてこの店にいるらしく、カタコトの英語でイロイロと私達に話してくれた。それにしても人なつっこい。
この愛想のよさと人なつっこさ、そして笑うとハの字になるまゆげは、誰かに似ている…
「ねーねー、この子カナコに似てません?」
「ワッハッハ(爆笑)カナちゃんや、カナちゃんや」
“カナコ”とはかつて私達2人が勤めていた会社の後輩で、愛想の良さでは彼女に勝る人を私は知らない。どこに行っても誰と会ってもすぐに溶け込み、回りを明るくさせる天性の才を持った娘さんである。
よし、決定!この時から彼女は「カナコ」と命名され、
「ちょっとカナちゃんコレ見せて」などと私達に“カナコ”呼ばわりされていたのだった。


●「あなたは私のオンニ♪」



 カナコは無闇に笑顔を見せない韓国婦女子にあって笑顔満開で、私の持ち物を色々とチェックし始めた。外国人の持ち物が珍しいようである。同じ東洋人なのに…。私が身に付けていたヘアピン、マフラー、アイシャドーを見て、手に取り「カワイー」(日本語!)を連発したのち、捨てネコのような儚げな目で「ギブ、ミ〜♪」と甘えた声で訴えるのである。
「22才にして女の使い方をしっかり心得ているよぉ」
「末恐ろしきおなごじゃ」
その後もカナコの「ギブ、ミ〜♪」攻撃は続く。
「韓国ではお姉さんのことを“オンニ”って言うのよ。だから、アナタは私のオンニ♪」
そこまで言われると嬉しくなって、ついにヘアピンと使い古したブルーのアシシャドー(日本製)を彼女にあげた。
「キャ〜、サンキュー、サンキュー●◇♪★☆▽!」と大喜びし、
さらにクビに巻いているマフラーも欲しいというが、これを取ると寒くて死ぬと答えると、
それでも残念そうにそして甘えた声で「ギブ、ミ〜」と鳴いた。

●カナコ師匠


 この勢いでは身ぐるみ剥がれてしまうのも時間の問題。骨抜きになった男も多いに違いない。
っていうか、見習わせてもらいますよ、あなたのそのテク<カナコ師匠@ソウルバージョン。
 それでも、ヘアピンとアシシャドーのお礼にと、セール除外品だったスポーツタオルを20%オフにしてくれるよう、ボスに頼み込んでくれた。
「恐らく男にもあんな風にして甘えているのだろうねぇ。このカナコは。」
「っていうか、ここに来る客からいろいろ巻き上げているハズですよ」
「カナコの家には世界各国の観光客から巻き上げた逸品が揃っていそうですね」
「でも、無愛想な韓国の女の子のなかで、こんなに愛想のいい子がいたら目立つよね〜」
と、そんなことを言っていたのだが、今年再びこの店を訪れると、カナコはまだいた。おいおい、学校卒業してこの店に就職か?しかし、私達の存在なんてまったく忘れているようで、そればかりか、2年たつとあのときの愛想の良さはまったくなく、一般的な『韓国的無愛想能面女子店員』となっていた。
「やっぱりカナコも大人の女になったって訳やね〜。」
「女の子って時間がたつと変わりますし〜」
「カナコを変えたのは男かもよ…」
そうか、男か…。なら仕方あるまい…と大人の女になったカナコの“めくるめく愛欲の2年間”を勝手に想像し「そうか、そうか」と納得する私達であった。

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