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台風の合間をかいくぐって韓国から帰ってきましたよーん。なので韓国ネタを…と思ったのですが、恐らく管理人さんが喋りたくて仕方ないと思うので、今回は私達が初めて韓国に行ったときの大長編作を何度かに分けてお届けしたいと思います。
◆◆◆◆ 「韓国に行きたい!」その思いは97年初め、突如湧いて表れた。事の起こりは年末に訪れたタイにある。私はどこに行っても「日本人」ではなく「韓国人」に間違えられたのだ。ホテルでも、レストランでも、みやげやでも、みんな私に「アー ユー コリアン?」と聞いてくる。なぜなの?どしてなの?
そういえば、カナダでもコリアンだった。しかも、カナダに限っては今まで2回訪れているが、2回とも“コリアン”である。ならば、本場韓国ではどうなのか?やはり韓国人に間違えられるのだろうか?それを試したくなったのである。
さぶい。雪不足でオリンピックの開催が危惧されていたが、大雪で首都圏はマヒする余裕の寒さである。日本でこれだと韓国はもっとさぶいはずだ。
同行のTさんが持ってきたガイドブックによると、春・夏・秋のおすすめ所は明記してあるものの、冬に関しては1行どころか一言もコメントがない。
「ということは、冬に行ってもロクなことがないってこと?」Tさんは心配そうに言った。
「いや、でも食べ物は冬が一番美味しいと聞いてますよ。ツウは冬に行くとも…」
「私らツウじゃないから、さぶいだけなんとちゃうん?」
あり得る。私達は韓国を訪れるのは今回が初めてだ。Tさんに至っては海外旅行のデビューが韓国である。それが“ロクなことがない”とは気の毒な話だ。エアーチケットの破格価格19,000円というのも、「こんな季節に何しに行くねん」という表れかもしれない。
「ともかく、今ウォンが安いから、ここはひとつがっちり買いましょうを楽しみましょうよ。」
不景気なのは日本だけではない。お隣の韓国も然り。日本を飛び立つ前のウォン相場は、100ウォン約8円という円安であった。一部のボンクラ旅行者たちがジャパンマネーの底力をフルに発揮し、高級ブランド品を買い漁るために、日本人は金持ちだという意識を持たれている。日本人と分かると否やボッタクリ価格をふっかけてくるから、我ら極貧旅行者にはたまったものではない。そこで、私はTさんに地元民溶け込みスタイルの必要性を説いた。
| ●「キムチは鼻から食べるのが韓国式」すら信じそうなTさん |
「日本の流行ファッションだと、いっぺんで日本人だと分かるじゃないですか。だから、流行のモード色は封印して、極寒の韓国住民らしく“防寒”を重視したスタイルですよ。あと、金持ちに見えるとボラレるから、捨てて帰ってもOKな貧相な格好がいいですよ。本当に捨てて帰れば帰りの荷物も減ってラクですし、その分買い物できますやん」
海外旅行初体験のTさんは、私の話を真剣に聞きうなづいてた。このときに「キムチは鼻から食べるのが韓国式」なんて大ウソを教えても、信じたに違いない。ともかく、Tさんは私の助言を素直に実行し、待ち合わせの新大阪駅にやって来た。彼女の格好は薄紫のモコモコダウンジャケットに赤のフリースセーターとコーデューローのパンツ。
「釣りに行くときの服だから、ちょっと潮臭いかも」
「貧乏臭そうでいいですやん」
こんな言葉が褒め言葉に使えることをこのとき初めて知る。
一方、私といえば、同じくベージュのモコモコダウンジャケットに、白い厚手のタートルセーター、ベージュのコーデューロパンツに茶色のハイカットスニーカー。山にでも行くんかい!?といったスタイルである。二人に色気とかオシャレという言葉は存在しない。30才とはいえ仮にも独身女性、しかもカタカナ職業であるというのに、すべてを放棄したこの格好。どう見てもダサイ。絶対モテない。ただ言えることは“ぬくそうやん”だけであった。
ここで断っておかねばならないことがある。決して韓国をバカにしてこのような格好になったのではない。数少ない海外旅行の経験から流行に踊らされて皆が同じ色、スタイルのお洋服に身を包んでいるのは日本人だけであるというこを、私は習得していたのだ。だから、お隣とはいえ日本にとっては韓国も外国。“皆と同じでないと不安なの、きゃ♪”などという、アホーな日本人的国民性でないと私は信じて疑っていなかったのだ。そのことから、オシャレより防寒が重視だろうという見解を下したのである。
防寒対策バッチリで韓国に降り立ったが、さぶい。切るような寒さとはこのようなことを言うのだろう…。まっしかし、韓国だ。これぐらいの寒さは当たり前かと思っていたら、
「とんでもない、普段はこんなに寒くないよ。この冬一番の寒さだよ」
と後に宿の日本語ペラペラのお姉さんは言っていた。気温なんとマイナス一〇度。
「バナナ凍って釘打てますかねぇ」
「じゃあ、バラの花も砕け散るかな」
「でも、オイルは凍らないでしょう」
氷点下の世界では誰もがオイルのCMを想像するのはなぜだろうか。また、必ず口にしてしまうのも不思議である。
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